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発表の概要 |
1.
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最近の標準化の動向
経済産業省 産業基盤標準化推進室 田中康裕
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2.
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道路橋塗装の耐久性向上に関する研究
(独)土木研究所 守屋 進
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わが国は、少子高齢化社会を向かえ社会活力の低下が懸念されている。一方、高度経済成長期に建設された多数の橋梁も高齢化を向かえ老朽化が避けられない。このため、各種社会資本の長寿命化が求められている。鋼橋を長寿命化するためには、塗装の耐久性向上が不可欠である。重防食塗装の防食性能を促進試験および長期暴露試験で明らかにするとともに、景観機能などと塗膜の維持管理手法について検討した結果の概要を報告する。
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3.
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ポリエステル系熱可塑性エラストマーの光劣化に関する研究
神奈川大学 永井靖隆
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ポリテトラメチレングリコールをブロック成分として含むポリエステル系熱可塑性エラストマーは、他の熱可塑性エラストマーと比較して、耐熱・耐寒性、耐油性、耐衝撃性、耐磨耗性などが優れ、自動車部品、電気電子部品、建築、土木材料および一般工業製品などに広く使用されている。しかし、光劣化機構はいまだ完全に明らかにされていない。そこで、ハードセグメントが異なる2種類のポリエステル系熱可塑性エラストマーについて光劣化機構を解析した。
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4.
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塗膜の耐減耗性試験結果(塗料委員会報告)
(財)鉄道総合技術研究所 田中 誠
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塗膜の耐減耗性は、表面劣化などによる塗膜厚み減少に対する抵抗性である。塗膜の期待耐久性の低い場合には耐減耗性を問題としないが、耐久性の高い塗膜では、減耗性が塗膜耐久性決定要因の一つとなる。そこで「塗料委員会」では、屋外での耐減耗性の評価試験方法を検討すると共に、長期耐久性の期待できるポリウレタン樹脂塗膜及びふっ素樹脂塗膜の耐減耗性評価試験を実施している。ここでは、「塗料委員会」の活動概要を紹介する。
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5.
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CFRP板及びGFRP板の長期耐候性試験結果
(財)日本ウエザリングテストセンター 山口富三雄
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炭素繊維強化プラスック板は、エポキシ樹脂を用いて作成した試験体であり、曲げ変形負荷を与えた屋外暴露試験(旭川、銚子及び那覇)を1986年から開始し、暴露20年間の結果が得られた。また、エポキシ樹脂の硬化温度の違い、繊維含有率の違い及び曲げ変形量の違い等が、耐候性試験結果に与える影響について評価した。ガラス繊維強化プラスチックは、難燃性のフェノール樹脂を用いて作成した試験体であり、屋外暴露試験(旭川、銚子及び宮古島)を2001年から開始し、暴露4年間の結果が得られた。また、促進試験(キセノン試験及びサンシャイン試験)による最長10,000時間の結果が得られた。これらについて紹介する。
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6.
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EMMAQUA新規湿度コントロールシステム
アトラス・ウェザリングサービスグループ ラリー・ボンド
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7.
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さび膜の電気化学的評価
東京理科大学 板垣昌幸
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腐食により生成したさびのイオン透過性を検討することは重要である。本研究では、水溶液から沈殿さび膜を作製し、膜電位測定および電気化学インピーダンス測定を行った。沈殿さび膜の主成分はX線回折法によりゲーサイトであることがわかった。吸着させた各種金属イオンの影響を電気化学インピーダンス測定により検討した。その結果、吸着イオン種に依存してイオン透過抵抗が大きく変化することがわかった。
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8.
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10年間大気暴露したAZ91Dマグネシウム合金塗装材の耐食性評価
千葉工業大学 高谷松文
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マグネシウムは実用金属中で最も密度が小さいことから鋼やアルミニウムに比較して比強度が大きく、またリサイクル性に優れるなどの特性を有しているため軽量構造材料、低負荷環境材料として環境保全面から注目されている。本講は、各種表面処理したAZ91Dマグネシウム合金塗装材の10年間にわたる大気暴露試験(旭川、銚子、宮古島)により耐食性を評価し、併せて環境因子と耐食性について検討した。その結果、長期にわたる大気暴露にあっても優れた耐食性を示す下地処理と塗装の関係が存在する知見が得られた。
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9.
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溶射法による防食・耐食コーティングの現状と長期暴露試験結果
(独)物質・材料研究機構 黒田聖治
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溶射法は金属、セラミックス、プラスチック等の多様な材料の厚膜コーティングを大面積に施工できるため、工業的に魅力のある技術である。従来、溶射皮膜はポーラスと考えられていたが、最近のプロセス技術によれば非常に緻密な膜も可能である。また、Zn、Al、Mg系の犠牲陽極型の皮膜についても、材料とプロセスの両面で着実な進歩が遂げられている。溶射技術の最近の動向を概観した後に、自然環境で行われてきた長期暴露試験(銚子33年等)の結果について報告する。
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10.
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日本国内の大気の腐食性の分類方法(評価基準)−金属委員会報告−
WTP代表 外川靖人
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日本国内の大気の腐食性を適切に分類する基準値(しきい値)を策定するため、国内25か所の大気環境で鉄鋼と亜鉛の1年暴露試験を繰り返し行い、両金属の腐食度を測定するとともに、腐食に関与する環境因子として、気象因子及び大気汚染物質(SOx、海塩粒子)付着量を同時に測定した。その結果を基に統計的手法で解析を行い、環境因子をそれぞれ5水準及び鉄鋼と亜鉛の腐食度をそれぞれ6水準にカテゴリー分類して、国内の大気環境の腐食性を適切に分類するための評価基準(しきい値)を作成した。その結果について報告する。 |