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発表の概要 |
1.
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最近の標準化の動向(仮題)
経済産業省 産業基盤標準化推進室 室長 内田 富雄
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2.
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金属の腐食とその電気化学的評価
東京工業大学名誉教授 水流 徹
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金属の腐食の電気化学的評価法,特に大気腐食に関する評価法について解説するとともに,演者らが行ってきたいくつかの具体的な測定例を紹介する。腐食の電気化学的測定は一般的には水溶液中で行われているが,大気腐食においては薄い水膜あるいは凝結水・付着水の下での反応となることから,腐食生成物の形成,溶液(薄膜水)中の酸素の溶解と拡散,腐食加速因子となる塩類の濃縮など,バルクの水溶液とは著しく異なった現象が反応を支配する。さらに,通常の電気化学測定法では計測が困難である場合が多い。これらの因子の影響および水薄膜下での電気化学計測法について,その考え方とアプローチを紹介する。
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3.
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通信設備に用いるプラスチック材料の評価事例および特異劣化事例
東日本電信電話株式会社 三輪 貴志 渡辺 正満 赤毛 勇一 高谷 雅昭 半田 隆夫
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通信設備には多くのプラスチック材料が用いられている。これらは屋外・屋内の様々な環境に曝されており高い信頼性が必要とされる。本発表ではリサイクル材を混合したケーブル外被の評価事例や、プラスチック材料の耐候性試験効率化のため紫外線放射照度の異なる3種類の促進耐候性試験装置および屋外暴露で劣化させた試料の物性低下を比較した事例、通信装置内のポリアセタール製部品が特異劣化した原因を究明した事例について報告する。
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4.
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環境に配慮した重防食塗装システムの性能評価
大日本塗料株式会社 松本 剛司
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鋼構造物を様々な環境要因から護り、長年に渡って維持することによって社会インフラを支えていくのが防食塗料の使命である。その使命を果たすために、高耐久化・長寿命化、ライフサイクルコストの低減へのアプローチが絶えずなされている。近年の塗料開発は、VOCの削減・重金属フリー化へ向けて取り組み、機能・コストのバランスのみならず環境とのバランスも考慮しつつ技術開発がなされている。本論では、環境に配慮した重防食塗装システムの最新動向とその性能評価結果を紹介する。
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5.
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プラスチックデッキ材及びABS樹脂の大気暴露による物性変化の報告
当財団 銚子暴露試験場 桑原 圭介 石毛 篤 紺野 晃弘
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プラスチックデッキ材(ポリ塩化ビニル樹脂製)を1981年から銚子にて暴露し、30年が経過したので引張試験及び衝撃試験結果等の物性測定結果について報告する。また、ABS樹脂は、2002年から銚子にて暴露した。7年経過後の色差、光沢度、黄変度の物性測定結果について報告するとともに各種促進耐候性試験における物性測定結果との関係性について報告する。
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6.
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塗膜の耐候性評価
関西ペイント株式会社 松田 健
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塗膜の耐候性は、美観を保ちつつ被塗物を長期に保護するためには欠かせない重要機能の一つである。一般的に耐候性の良否判断は「屋外暴露試験」で評価されるが、非常に長期(5〜10年以上)の試験時間を要するため、評価の目的や塗膜の用途に応じて様々な促進耐候性試験もあわせて行われている。本発表では塗料評価用に広く用いられる屋外暴露試験および各種促進耐候試験について、その試験法および劣化メカニズム解析事例を報告する。
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7.
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絶対湿度一定の大気腐食試験法による表面処理鋼板およびアルミニウム合金の耐食性評価
株式会社日立製作所 藤井 和美
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従来の大気腐食促進試験法は,実際の腐食状態を模擬できていないことも多く、材料選定や寿命予測に十分に活用できなかった。そこで、家電製品の腐食実態調査に基づき、表面処理鋼板の腐食実態を再現できる促進試験法を開発した。本試験法の特徴は絶対湿度を一定に保つことにある。さらに、アルミニウム合金の耐食性を評価するために、試験条件を見直した。本講演では、これら絶対湿度一定の大気腐食試験法について紹介する。
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8.
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腐食鋼板の表面性状の空間統計分析とその経時性の数値シミュレーション
九州大学大学院 貝沼 重信
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鋼構造物の腐食性が高い部位において,著しい腐食損傷が多数報告されている。このような構造物を安全かつ経済的に供用するためには、その腐食損傷の進行挙動を定量的に把握することが重要となる。本研究では大気暴露した無塗装試験体の腐食表面性状の空間的自己相関構造とその経時性を分析するために、空間統計学的手法の1つであるセミバリオグラムを適用した。また、この相関構造と通常型クリギングの手法を用いることで、様々な大気腐食環境における腐食表面性状の経時性を空間統計シミュレートする手法を提案した。さらに、大気暴露環境における無塗装普通鋼板の経時的な腐食表面をシミュレートした。
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9.
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ステンレス鋼板のすきま部における塩害耐食性評価
新日鐵住金ステンレス株式会社 平出 信彦
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大気腐食に代表される乾湿繰り返し環境は、ステンレス鋼の主要な使用環境の一つである。また、孔食もしくはすきま腐食に起因する孔あきは部材の寿命を決定する重要な因子であり、特にすきま腐食に起因する損傷例は多い。そこで、すきま部を形成して複合サイクル腐食試験を行い、すきま内腐食環境を評価すると共に、乾湿繰り返し環境におけるステンレス鋼の腐食特性を検討した。
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10.
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新大気腐食試験装置を用いた低合金鋼の腐食特性評価
独立行政法人物質・材料研究機構 升田 博之
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今まで多くの大気腐食加速試験が行われてきたが海塩粒子が付着して結露により腐食が進行することをシミュレートした試験は行われておらず、現実との対応に問題があることであった。この問題点を解決するため実環境と同じように海塩粒子を付着させながら乾湿を行える新大気腐食試験装置を開発した。まず装置の概要及び基本特性や装置を用いて低合金鋼の長期室内実験を行った結果を紹介する。更に開発したSKFMを用いて低合金鋼の腐食機構を調べた結果を紹介する。
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