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発表の概要 |
1.
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最近の標準化の動向(仮題)
経済産業省 産業基盤標準化推進室 長谷 亮輔
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2.
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沖縄県の気象環境と腐食・防食状況
琉球大学名誉教授 屋良 秀夫
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沖縄県は我が国の南西部に位置し、太平洋の中に浮かぶ小離島の集まりで、九州と台湾の間に広大な海域に点在している。 年間を通して高温多湿で風も強く、また台風の通路になっており、海塩粒子量が他県に比べて多く、工業材料にとっては、腐食環境として厳しい地域となっている。 本報告は、沖縄県の気象環境と腐食・防食状況について、気候と腐食及び防食との関わりやその課題を述べる。
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3.
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土木構造用FRPの耐久性
(独)土木研究所 西崎 到
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FRPは軽量・高強度・腐食しないなどの特長から、歩道橋などの土木構造物への適用が期待されており、適用に向けた技術開発も進みつつある。 しかし、FRPは劣化しない材料というわけではないので、FRP橋梁がどのような条件でどのように劣化するかということを明らかにしておくことが重要である。 ここでは、これまでに建設され、ある程度時間の経過したFRP橋梁の追跡調査の事例を、実大FRP橋梁模型の暴露試験結果と併せて紹介する。
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4.
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環境適合塗膜へのレオロジー的特性評価手法の試み
日本電信電話(株) 竹下 幸俊
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電気通信設備に用いられる重防食塗膜の評価には従来より付着特性が重要な指標を担っている。 一方で塗膜自体のメカニカルな高分子特性の理解も重要である。 現在の材料特性を知ることはもちろん、将来のしかも太陽光や風雨等の様々な因子が影響する中での特性を予測することは極めて重要であるが同時に困難な課題である。 我々は新たにレオロジー的特性評価方法に着目している。 本講演では、環境適合塗膜へのレオロジー的特性評価手法の適用について現在の検討状況について報告する。
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5.
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太陽電池モジュールの加速劣化試験技術
(独)産業技術総合研究所 土井 卓也
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太陽光発電システムの発電コストを下げるには、寿命が大きく影響する。 太陽電池モジュールの作製工程を理解した上で信頼性評価手法を考えると、どのような加速試験方法が必要か考えるのに有用である。 本講演では、まず、太陽電池の原理、セル・モジュールの構造や製造方法を述べた後、太陽電池モジュールの認証試験・信頼性試験のうち加速要素のある試験例を解説し、更に、屋外運転中の不具合事例の紹介や現在開発中の加速劣化試験技術の紹介を行う。
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6.
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アンダーグラス暴露試験用ガラスの屋外暴露による透過率の変化
(財)日本ウエザリングテストセンター 桑原 圭介
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アンダーグラス暴露試験に使用されるガラスは、暴露初期に透過率が変化することが知られている。 暴露試験の再現性の観点から、JIS Z 2381 及びJIS K 7219 では、使用するガラス板の使用期間が2年間、透過率が波長域370〜830nmで約90%、波長310nm以下で 1%以下が望ましいと規定しているが、暴露初期の変化や長期の変化についてのデータはほとんどない。 そこで、アンダーグラス用ガラスを暴露し、透過率の変化を調べた。
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7.
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アルミニウム合金製土木製品の国内各地における長期耐久性
(社)日本アルミニウム協会 土木製品開発委員会耐久性WG 花崎 昌幸
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アルミニウム合金製土木製品のLCCを作成するために、過去に施工された橋梁用床版、歩道橋床版、防護柵、照明柱、下水処理場覆蓋及び水門等、60件の追跡調査を行い、耐食性データベースを作成した。 種々の環境、用途で、アルミニウム製品は優れた長期耐食性を示すことが判明した。 さらに長期間メンテナンスフリーで使用できると推定される。
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8.
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ISO/TC156(金属および合金の腐食)の最近の動向
新日鉄マテリアルズ(株) 伊藤 叡
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ISO/TC156(13のWG構成、WG11は日本が主査)は各金属特有の試験のほかに、「塩水噴霧試験」など共通・横断的な腐食試験を扱うことに特徴がある。 耐候性関連の活動は世界暴露試験(ISOCORRAG)などで以前より著名である。 2007年のTMB投票の結果、幹事国はロシアから中国へ、議長国も今年からカナダからスウェーデンとなった。近年、実利上課題となる試験提案が多くなる中で、10件近く提案している日本は今後新たな対応が必要となると考えられる。 いろいろな課題の他に、こうした変化についても講演で述べる。
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9.
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炭素鋼の短期繰り返し大気暴露試験と腐食データシート
(独)物質・材料研究機構 ○田原 晃、篠原 正
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我々は腐食データシート研究の一環として、以下のような試験を機構内大気暴露試験場で実施した。
1) 開始時期の異なる1か月繰り返し暴露試験 2)開始時期の異なる1年繰り返し暴露試験 これらを足かけ3年実施して、都合48水準の炭素鋼の腐食速度を求めた。1か月暴露試験による炭素鋼の腐食速度は顕著な開始時期依存性を示した。夏季の試験が最も大きな腐食速度を示し、冬季が最も小さな値を示した。夏季に最も大きな腐食速度を伸した原因は、主として比較的高い相対湿度と気温に依った。 つくばにおける炭素鋼の腐食速度は相対湿度と気温、すなわちぬれ時間に依存した。 一方、1年暴露の場合には、炭素鋼の腐食速度はあまり試験開始時期に依存しない結果となった。 また、1年暴露の腐食速度は1か月暴露のそれより小さな値を示した。 この現象は、炭素鋼表面に生成したさび層によるものと推測される。
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10.
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使用済燃料貯蔵容器への付着塩分量評価に関する研究
(財)電力中央研究所 亘 真澄
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原子力発電所で発生した使用済燃料のうち、再処理能力を超えるものは、50年程度、中間貯蔵される。 貯蔵容器には、いくつかの種類があるが、そのうちの一つの方式では、溶接による密封構造となっており、応力腐食割れ評価が重要である。 本研究では、海岸近くの貯蔵施設に設置された貯蔵容器表面に、空気中の海塩粒子が付着する量を明らかにすることを目的としている。 付着塩分量に関する室内試験および実環境下での試験データに基づく、評価手法について報告する。
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